Mirakl Platform Connector for Shopify(ミラクルプラットフォームコネクターフォーショッピファイ)

定義

2025年7月1日、MiraklはShopifyとのパートナーシップ拡大を発表した。その内容の中心がこのコネクタで、エンタープライズ企業が自社のShopifyストア上でマーケットプレイスを立ち上げ、拡大できるようにすることを目的としている。Miraklが開発・保守し、オペレーター(マーケットプレイス運営者)がShopifyストアに導入して設定する。Shopify Plus専用。同期の対象と方向は次の表のとおり。

対象方向内容
カタログ構造Mirakl → Shopifyカテゴリ・属性・コレクションをShopifyに作る
商品とバリアントMirakl → Shopify/Shopify → Miraklセラーの商品をShopifyの商品として取り込む。オペレーター自身の商品カタログはMiraklへ書き出す
オファー(価格・在庫)Mirakl → Shopifyリアルタイムに更新される
セラー情報Mirakl → Shopifyセラーやオファーの情報はShopifyのメタフィールドに保持される
チェックアウト時の確認Mirakl → Shopify購入時にMiraklへ照会し、最新の価格・在庫・送料を反映する
注文Shopify → Miraklセラーごとに注文を分割し、Miraklの受注フローへ渡す

オペレーター自身の商品(1P)とセラーの商品(3P)を1つのカートで購入でき、同じ商品に複数セラーのオファーを並べられる。Shopifyの検索にセラー商品も載る。テーマで作ったストアとヘッドレス構成の両方に対応する。

背景

これまでShopifyでマーケットプレイスを作るには、MiraklのOperator APIに対して商品・オファー・注文の連携を個別に開発する必要があり、数か月単位の工数がかかっていた。Miraklは、このコネクタで連携工数を最大80%削減できるとしている。背景には、Shopifyがエンタープライズ領域を広げていること、そして小売企業にとってマーケットプレイス化が「モール出店」「自社EC」に続く第三の選択肢として定着してきたことがある。日本でもすでに、Shopifyで構築した自社ECとMiraklのマーケットプレイスを組み合わせて運営する事例が出ている。

混同しやすい「Mirakl Connect」アプリ

Shopify App Storeには、Miraklが2020年から公開している「Mirakl Connect」というアプリがある。こちらは向きが逆で、Shopifyマーチャントがセラーの立場で、自社の商品・在庫・価格をMiraklで構築されたマーケットプレイスに同期し、受けた注文をShopifyの管理画面で処理するための仕組みである。Platform Connector for Shopifyは、この既存のセラー向け連携を土台に、オペレーター側(ストアをマーケットプレイスにする側)へ拡張したものだとプレスリリースでも位置づけられている。「Shopifyに商品を出す」のがMirakl Connect、「Shopifyをマーケットプレイスにする」のがPlatform Connectorと覚えると区別しやすい。

導入を検討するときの論点は3つある。第一に決済と精算で、購入者に対する販売主体はオペレーターなので、決済はShopify Paymentsを含むストアの通常の決済手段でまとめて受け取れる。セラーへの支払いは、Miraklが手数料を差し引いて算出した精算額を銀行振込などで支払う形になり、オペレーター側の経理・送金の業務設計が必要になる。第二にカタログで、セラーの商品がShopifyの商品として作られるため、商品数、検索、コレクションの設計に影響する。第三にフロントで、ヘッドレス構成ではオファーやセラー情報をメタフィールドから読み出して表示を組む必要がある。手数料計算と精算額の算出はMirakl側が担い、Shopifyには載らない。

Flagshipでの関わり

当社は国内初のMiraklソリューションパートナーであり、2018年に国内初のShopify Plusパートナーにも認定されている。Shopifyを基盤にマーケットプレイスを立ち上げるオペレーターに対しては、このコネクタを使う構成と個別連携を開発する構成を要件に応じて比較し、決済・カタログ・フロントの設計まで含めて支援する。セラー側では、受注管理システムとMiraklをつなぐConnector for Miraklを提供しており、オペレーター側のストアフロント連携とセラー側の業務システム連携の両端をカバーしている。リリース時の解説は関連コラムにまとめている。

関連リンク