DMARCディーマーク

定義

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)は、メールの送信ドメイン認証の仕組み。ドメイン所有者が _dmarc.<ドメイン> にTXTレコードを公開し、受信側はそれを見て「SPF/DKIMの認証に通らなかったメールをどう扱うか」を決める。

  • 認証の土台はSPFとDKIM: SPFは「このドメインのメールを送ってよいサーバー」の一覧、DKIMは送信サーバーが付ける電子署名。DMARCはこの2つの結果と、差出人(From)ドメインとの一致(アラインメント)を組み合わせて合否を出す。
  • ポリシー(pタグ): none(監視のみ)、quarantine(迷惑メールフォルダへ)、reject(受信拒否)の3段階。
  • レポート(ruaタグ): 受信側から「誰があなたのドメインを名乗って送っていたか」の集計レポートが届く。正規の送信経路を洗い出し、なりすましを見つける唯一の手段。

背景

2024年2月、GmailとYahoo!が大量送信者向けガイドラインの適用を始め、SPF・DKIM・DMARCの設定とアラインメントは事実上の必須条件になった。認証を通らないメールは迷惑メール判定や受信拒否の対象になり、ECでは注文確認メールや、新しいお客様アカウントのワンタイムコードが「届かない」という形で表面化する。

Shopifyストアでは、Shopifyが代理送信する通知メールに対して送信ドメインの認証(Shopify側が指定するDKIM/リターンパス用DNSレコードの追加)を済ませないと、差出人がストアのドメインではなくShopify側のドメインにフォールバックし、ブランドドメインとしての認証が成立しない。さらにKlaviyoやDotdigitalなどのMAツール、ResendやSendGridのような外部送信基盤、課金・決済系サービスなど、同じドメイン名で送信する経路が増えるほど、それぞれのSPF/DKIMをそろえて一本のポリシー配下に収める運用が必要になる。

2026年5月には約10年ぶりの改訂版(DMARCbis)が、RFC 9989(本体)・RFC 9990(集計レポート)・RFC 9991(失敗レポート)として公開された。既存のレコードはそのまま有効だが、組織ドメインの判定がPublic Suffix ListからDNSを上位へたどる「DNS Tree Walk」に変わり、ほとんど無視されていたpctタグが廃止されてt(テスト)タグに置き換わり、存在しないサブドメイン向けのポリシーを宣言するnpタグが標準化された。導入手順は変わらず、「p=noneで監視 → 正規の送信元をすべて認証 → quarantine/rejectへ」が基本になる。

Flagshipでの関わり

自社ドメインとクライアントストアのDMARC整備を、案件横断で進めている。新規構築や新しいお客様アカウントへの移行案件では、Shopifyの送信ドメイン認証とDMARCの状態確認をプロジェクトのスコープに必ず含め、外部送信基盤を併用する場合は経路ごとのSPF/DKIMアラインメントと迷惑メール判定の事前テストまで確認する。既存ドメインでは、SPFのDNSルックアップ上限(10回)の超過や、レコードの分割といった見落としやすい不備の診断も行う。導入後はGoogle Postmaster ToolsとDMARC集計レポートでモニタリングし、p=noneから段階的にポリシーを強める。DNS変更は必ずコーポレートITに通知する運用ルールを敷いている。

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