【Mypage Blocks】Shopifyの「従来のお客様アカウント」終了に向けて。ストアのマイページ、どう移す?
この記事でわかること
- → Shopifyの従来のお客様アカウント(いわゆる旧アカウント)の終了は、今どこまで進んでいるのか(正確なタイムライン)
- → 新しいお客様アカウントに変わると、何ができて何が変わるのか
- → 「アプリを色々入れているけど、どれをどうすればいいの?」への向き合い方
- → いまマイページに載っている機能を、移せるかどうかで4つに分ける考え方
- → アプリの一覧には出てこない、見落としやすい部分
- → 移行で迷ったときの、現状整理の手順(と、30日以内なら戻せるという安心材料)
- → 日本のマーチャントに需要が高い、マイページの主要機能3つ
「『従来のお客様アカウント』——いわゆる"旧アカウント"が終了するらしいけど、で、うちは結局どうすればいいの?」
いま、いちばん多く聞こえてくる声です。Shopifyでストアを運営している方の多くは、ポイント、会員ランク、退会、領収書……と、いくつものアプリをマイページ周りに入れてきました。「どれが引き継げて、どれを作り直す必要があるのか」——最初は途方に暮れますよね。その気持ち、とてもよく分かります。
この記事では、Shopifyストアのマイページについて、まず状況を正確に整理し、そのうえで移行を落ち着いて進めるための考え方をお伝えします。

いま起きていること(正確なタイムライン)
- 2026年2月26日、従来のお客様アカウントは「非推奨(deprecated)」になりました。新規ストアでは利用できず、今後は機能改善・不具合修正・技術サポートが提供されません。
- 最終終了日(サンセット)は2026年内に発表予定です。発表されて初めて、具体的な日付が確定します。待つほど、準備にあてられる期間は短くなります。
- Shopify は「終了日の発表を待たず、テスト期間を含めて2〜3か月の余裕を持った移行」を推奨しています。
つまり、「まだ動いているから大丈夫」ではなく、静かにカウントダウンが始まっている段階です。
Shopifyによると、すでに7割以上のストアが新しいお客様アカウントを使っているそうです。ただしこれはShopify全体の数字で、日本国内の割合は公表されていません。
7月に開催された Shopify の開発者向けイベント DotDev でも、その後さらに移行が進んでいるという説明がありました。新規ストアは旧アカウントを選べないので、この比率は今後も上がり続けます。
そして、まだ移行していないストアには理由があります。独自のログイン、作り込んだカスタマイズ、業務に組み込んだ仕組み——移行が重いストアほど、後に残っているというのが実際のところです。
日本のストアは、フリガナや適格請求書に対応した領収書など、標準にない部分をアプリやLiquidで足してきた経緯があります。その分、移行が重くなりやすいとも言えます。
だからこそ、早めに中身を見ておくほど楽になります。何が残っていて、どれが手間のかかるものなのか。そこが分かれば、あとは順番に片付けていけます。
新しいお客様アカウントで変わること
新しいお客様アカウントは、単なる置き換えではありません。
- パスワードレス認証:メールに届くワンタイムコードでログイン。パスワードの使い回しやリセットの手間がなくなります。
- アプリ拡張(UI Extensions)に対応:注文ステータス・注文一覧・プロフィールの各ページや、フルページに、アプリの機能をブロックとして追加できます。
- ネイティブ機能の強化:ストアクレジットやセルフ返品(お客様が返品を開始し、配送ラベルを印刷)に対応。いずれも従来のお客様アカウントでは使えなかった機能です。
ここで大事なのは、「従来のお客様アカウントで使っていた機能が、そのまま自動で移るわけではない」という点です。アプリで足していた機能は、アプリ側の対応とセットになります。
だからこそ、移行前の"棚卸し"が効いてきます。
「移せるかどうか」で、4つに分かれます
移行でいちばんつまずくのは、機能の多さではなく、「今の自分の状態が分からない」ことです。
機能の種類で分けても、あまり役に立ちません。知りたいのは「移せるのか、移せないのか」だからです。その軸で分けると、4つになります。
| 分類 | 中身 | 移行の見通し |
|---|---|---|
| ① Shopify標準でまかなえる | 注文履歴、住所、ストアクレジット、セルフ返品 | そのまま使えます |
| ② 使っているアプリが、新アカウントに対応済み | アプリ次第 | ブロックとして置き直せます |
| ③ 使っているアプリが未対応、または対応時期が未定 | アプリ次第 | 待つか、乗り換えるかの判断が必要 |
| ④ テーマのLiquidで作り込んでいた | 条件による出し分け、独自の表示 | 移植先がありません。作り直しです |
※ ここでいうブロックとは、マイページの決められた場所に置ける「部品」のことです。テーマの「セクション」に近いもので、コードを書かずに、置く・外す・並べ替えるができます。中身はアプリが提供します。
②と③は、アプリごとに違います
「アプリ側が対応してくれるだろう」——そう思いたくなりますが、対応状況はアプリごとにまったく違います。
すでにブロックとして提供しているアプリもあります。一方で、対応予定はあるが時期も範囲も未定というアプリも、実際にあります。ポイント、会員ランク、領収書、フリガナ、住所補完、サブスクリプションの管理——どれも「アプリでやっていた」領域ですが、それが移せるかどうかはそのアプリ次第です。
なので棚卸しの中心は、機能の分類ではなく、アプリを1つずつ確認することになります。地味ですが、ここが一番効きます。
③に当たってしまった場合、選択肢は「対応を待つ」か「乗り換える」かです。待つ場合は、終了日が発表されたときに間に合うかどうかを見ておく必要があります。
④について
ここが、いちばん見落としやすいところです。
従来のお客様アカウントは、テーマの一部でした。そのためLiquidを書けば、会員ランクごとに表示を変える、特定の条件でバナーを出す、といったことが自由にできました。
一方、新しいお客様アカウントは、テーマの外にあるため、Liquidが使えません。
分かりやすい例としてチェックアウト機能を用いてご紹介します。チェックアウトは以前からテーマの外にあり、Liquidでは触れませんでした。カスタマイズしたいときは、拡張(アプリ)とブランディング設定(管理画面から変えられるロゴ・色・フォントの設定)を使います。
新しいお客様アカウントも、これに近い形になりました。細かい仕組みは違いますが、「テーマの外にあって、拡張で足す」という点は共通しています。マイページが、テーマ側からチェックアウト側へ移った——そう捉えると分かりやすいと思います。
チェックアウトで「Liquidを書いて自由に変える」ことを諦めてきたのと、似たことがマイページでも起こる、というイメージです。
代わりの仕組みは Customer account UI extension と呼ばれるもので、これはアプリの一部です。つまり同じことを実現したい場合、
- 既存のアプリに同じ機能があれば、そのアプリを入れる
- 無ければ、そのストア専用にアプリを作る(カスタムアプリ)
のどちらかになります。「Liquidを貼り替えれば動く」という移植先はありません。
ここが重いのは、設定変更ではなく開発が必要になることです。テーマのカスタマイズができる方がいても、それだけでは足りません。テーマの編集とアプリ開発は、別の作業になります。
そしてこれは、アプリの一覧を見ても出てきません。「入れているアプリ」ではなく「テーマに書いたコード」だからです。棚卸しをアプリの一覧だけで進めると、この部分がまるごと抜け落ちます。そして移行後に、静かに消えていることに気づきます。
だからこそ、④は「早めに見つけておく」ことがそのまま対策になります。開発が必要だと分かっていれば、期間も費用も見積もれます。終了日が発表されてから気づくと、選択肢が減ります。
もうひとつ、アプリでもLiquidでもないものがあります
Shopify Flow の自動化と、顧客セグメントです。
旧アカウントを条件にしたワークフローや、customer_account_status を使ったセグメントは、新しいお客様アカウントには引き継ぎできず、代わりのフィルタも用意されていません。
マイページの見た目とは関係ないので、いちばん見落としやすい部分です。該当があれば、別の条件に置き換える必要があります。
ひとつ、良い面もあります
これまでLiquidで書いていた部分は、アプリの一覧にも管理画面にも出てきませんでした。どこに何を仕込んだかは、書いた本人しか分からない状態になりがちです。担当が変わると、なおさら追うことができません。
移行後は、マイページに載るものはすべてブロックになります。つまり編集画面を開けば、何が入っているかが一目で分かります。

これもチェックアウトと似ています。チェックアウトの編集画面を開けば、どの拡張が入っているか一覧で見えます。マイページも、それに近い状態になります。
自由度は下がりますが、代わりに見通しが良くなります。引き継ぎのときにも追いやすくなります。
移行を落ち着いて進めるための、5つの手順
いきなり移行作業に入るのではなく、まず現状を棚卸しして、交通整理することをおすすめします。
- 今マイページ周りに入っているアプリ・機能を洗い出す
- テーマのLiquidでマイページ周りに手を入れていないか確認する(アプリ一覧には出てきません)。Shopifyのアップグレードガイドに、具体的な確認手順が書かれています。
- テーマエディタでページの選択メニューから「Legacy customer accounts」を開き、7つのテンプレート(アカウント/アカウント有効化/住所/ログイン/注文/登録/パスワード再設定)を1つずつ見る
- あわせて、コードの編集画面で
templates→customersにある.liquidファイルを確認する
- アプリごとに、新しいお客様アカウントへの対応状況を確認する(対応済みか、未定か)
- Flowの自動化と顧客セグメントに、旧アカウントを条件にしたものがないか確認する
- 上の分類に仕分けて、優先順位をつける
これだけで、「何から手をつければいいか分からない」が「次はこれをやればいい」に変わります。まずは、ここから整理してみてください。
そして、ひとつ安心材料があります。移行したあとでも、30日以内なら元のバージョンに戻すことができます。準備を済ませたうえで一度切り替えてみて、想定外のことが起きたら戻す——という進め方が可能です。
移行は、見直しの機会にも
棚卸しをしてみると、使っていない機能や、重複している機能が見つかることがあります。「入れたけれど結局使わなかった」「同じことができるアプリが2つある」——Shopifyストアを長く運営していれば、よくあることです。
どうせ一度は見直すことになるのなら、この機会に整理してしまうことをお勧めします。
Mypage Blocks は、領収書・プロフィール項目・通知カテゴリなどをまとめて提供しています(現在は無料でご提供しています)。機能ごとにアプリを分けていた場合は、まとめられる部分があるかもしれません。
とくに日本のECでは、フリガナ、適格請求書に対応した領収書、郵便番号からの住所補完……といった、海外製では"かゆいところ"に手が届きにくい部分があります。Shopify標準の"補い"として、あきらめたくないその一歩をブロックを置くだけで足せるように——そのような想いでつくっています。
日本のマーチャントに需要が高い、マイページの主要機能3つ
棚卸しのあと、新しいお客様アカウント上で"日本の商習慣に合ったマイページ"を組み立てるとき、特に需要が高いのが次の3つです。いずれも Mypage Blocks では、コードを書かずにブロックを置くだけで導入できます。
1. 領収書/請求書PDF(インボイス対応)
「領収書はどこでダウンロードできますか?」——インボイス制度の定着で増えたこの問い合わせを、お客様がマイページから自分で解決。登録番号や、税率ごとの消費税区分(税率対象合計・内消費税)に対応した形で発行できます。

2. プロフィール追加項目の収集
誕生日・性別・紹介コードなど、標準では集めきれない情報を、お客様自身にマイページで入力してもらえます。バースデー施策やセグメント配信など、次のマーケティングの起点になります。
[プロフィール項目(お客様画面)]

[プロフィール項目(アプリ設定画面)]

3. 通知カテゴリの設定
「全部いらない」で一括解除される前に、お客様が受け取りたいジャンルを自分で選べるように。解除を減らし、必要な情報だけを届けられます。
[通知設定(お客様画面)]

[通知設定(アプリ設定画面)]

まとめ
従来のお客様アカウントの移行は、早めに現状を整理しておくほど、落ち着いて進められ、マイページを見直すいい機会にもなります。
ポイントは2つ
- アプリは「対応してくれるはず」ではなく、アプリごとに新しいお客様アカウントへの対応状況(対応済みか、未定か)を1つずつ確認する
- テーマのLiquidで作り込んだ部分は、アプリ一覧に出てこないので、意識して探す
「アプリを入れすぎて、どれをどうすればいいか分からない」——そのような段階でも大丈夫!まずは現状の棚卸しから、一歩ずつ進めていくことができます。
機能リクエストを受付中です!
Mypage Blocks は、まだ育てている途中のアプリです。「これができたら助かる」という声が、そのまま次に作る機能の優先度になります。
いまも実際に、お使いいただいているストアの方にアンケートでお聞きしているところです。小さなことでも構いませんので、思いついたらぜひこちらからお寄せください。
「他のアプリではこうだった」「日本だとこういう慣習がある」といったお話も、とても助かります。みなさんのショップ運営がもっと良くなるよう、一緒に育てていけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
もっと知る
Mypage Blocks の機能や設定は、下記でご確認いただけます。
- ヘルプセンター(Mypage Blocks) … 各機能の設定方法・使い方
- 機能一覧 … 搭載されている機能をまとめて確認
使ってみてのご質問は、サポート窓口までお気軽にどうぞ。
参考資料
- Legacy customer accounts are deprecated(Shopify Changelog)
- Upgrading to customer accounts from legacy customer accounts(Shopify Help Center)
- Setting up and managing customer accounts(Shopify Help Center)
- Customer account UI extensions(Shopify.dev)
- Building apps for customer accounts(Shopify.dev)
- Legacy customer accounts are deprecated(Shopify Changelog・マーチャント向け)
